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横顔の評価ってどう決めるの?〜当院が用いている基準のご紹介〜
2026.01.10

最近、患者さんからよく聞く表現の” 口ゴボ ”。専門用語ではありませんが、口元が出ている状態のことと言われています。
口元の印象は主観的な部分も含まれますので、自分がそう感じているだけ?それとも客観的に見てもでてるの?という不安を感じている人に参考になるように、当院が用いている横顔の評価基準についてご紹介します。
1) 口元の評価ってどうするの?
—ひいらぎ矯正歯科では横顔は4つの指標で見ます
横顔の印象は、実際の見た目を評価するために写真を使用する基準(Eライン/鼻唇角)と、レントゲン画像を用いた歯の位置の実測(∠U1 to SN/U1–A-Pog)をセットで判断します。見た目だけ・数値だけで決めないのがポイントです。
2) Eライン:横顔の“第一印象”を決める線

鼻先(鼻尖)と顎先(オトガイ)を結んだ線と、上唇・下唇の位置関係を見る方法です。
このラインよりわずかに唇が内側にあると横顔の印象が整って見えるといわれています。
- 役割:写真や鏡で“パッと見のバランス”をつかむ指標。
注意:鼻や顎の形・人種・性別で適正は変わります。Eラインだけで「抜歯すべき/しない」を決めることはしません。
3) 鼻唇角(Nasolabial angle):鼻先と上唇の開き具合

鼻の下の線(鼻柱)と上唇の線が作る角度。上唇の“反り”や前歯の支えの影響を受けます。
- 役割:上唇の張りや見え方の評価に有効。
目安:教科書的には、この角度がおよそ95〜110°が標準的と言われます。この角度あたりだと上の唇が「突き出て」見えにくくなり、心地よく見えやすいと言われますが、顔立ち次第で最適値は変動します。
4)セファロ分析「∠U1 to SN」:上の前歯の反り具合をみる指標(角度)
何を見る?

・ 頭の基準線 SN(S=トルコ鞍、N=鼻根点) と、上の前歯(中切歯)の中心の線がつくる角度です。
・数値が大きいほど:前歯が前に倒れている(前方へ反っている)=上唇を前から強く支えやすい状態。
・数値が小さいほど:前歯が起きている/やや後ろに傾く=上唇の支えが弱くなりやすい状態。
5) セファロ分析「U1–A-Pog」:上の前歯の出ている距離をみる指標(距離)

横顔X線(セファロ)で、上顎前歯(U1)がA-Pogライン(上顎点A〜顎先Pogonionを結ぶ線)からどれだけ前にあるか(mm)を測る指標。
- 役割:上の前歯が何mm出ているか?を数値化。Eラインや鼻唇角の“見た目差”を数値化する役割があります。
- 目安:一般には約6mm前後(±2mm程度)が教科書的に用いられますが、年齢・骨格・民族差で標準の範囲は動きます。
- 活かし方:ゴールの前歯位置をmm単位で設計し、理想的な前歯の位置の目標設定を行うのに使用します。また、過度な後退(口元がさがり過ぎる)を避けることにつながります。
ざっくりとしたまとめ
:写真の見た目の線(Eライン/鼻唇角)で“印象”を、レントゲン(セファロ)を用いた指標の∠U1 to SN、U1–A-Pogで“原因”を確認して、治療計画に落とし込みます。
5) よくある誤解と落とし穴
- Eラインだけで自己判断 → 鼻・顎の形の個性を無視しがち。
- “抜歯=口元がさがる”の決めつけ → 実際は前歯の角度・移動量の目標などの設計次第。
笑顔写真と無表情写真を比べる → 条件差で“悪化したように見える”ことがあります。同条件比較が必須。
6) 当院のチェックの流れ
- 写真(正面・横顔・スマイル)を同一条件で撮影
- セファロで角度・距離を測定(U1–A-Pogなど)
- シミュレーションで“どのくらい動かすと、横顔がどう変わるか”を共有
- 治療案の比較(メリデメ/期間/費用/顔貌変化の予測)
7) まとめ:装置より“設計”。あなたに似合う口元を数値で
装置(ワイヤー/マウスピース)は手段。ゴールの前歯位置と顔とのバランスを数値で決めることが、自信のある口元への最短距離です。
上の前歯の位置は非常に大切ですが、かみ合わせとのバランスなど総合的に判断して治療計画を作成しています。
記事監修歯科医師
堀畑 篤史
- 平成18年 朝日大学歯学部卒業
- 平成23年 広島大学 大学院 矯正歯科学分野卒業
- 平成28年 ひいらぎ矯正歯科開院
- 歯学博士 日本矯正歯科学会認定医
