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矯正歯科の専門医院とは?
2025.11.28
矯正歯科“専門”って何が違う?〜一般的な歯科との違いをわかりやすく解説〜
はじめまして。院長の堀畑です。この記事では、矯正歯科を専門にするクリニックと一般歯科の違いを、できるだけ専門用語を避けて解説します。InstagramやTikTokで矯正歯科を検索されている方にも判断の助けになるよう、当院の考えを具体的にお伝えします。

この記事のまとめ
□ 専門クリニックは、医師のキャリア・設備・スタッフ教育を矯正治療に集中投資しています。
□ 診断と計画の質が、見た目や仕上がり(横顔・口元)に大きく影響します。治療法(ワイヤー/マウスピース)の違いよりも診断力が重要です。
1.歯科医師のキャリアの違い
現在の歯科医師の共通点として、国家試験合格後に1年間の研修医制度で総合的に学びます(義務化)。その後の進路が分かれます。
- 一般歯科に進む場合:開業医で幅広い治療(むし歯、歯周病、入れ歯等)を学ぶ、あるいは大学院で学術研鑽を深めるなどして、総合力を高めていきます。
- 矯正歯科を専門にする場合:大学院等で矯正歯科の臨床・研究を集中的に積み、学会の外部評価(症例・筆記・口頭試問など)を経て認定を取得します。認定後も更新制で、日々の診療・研修の継続が求められます。大学院卒業後に開業医での研鑽を積んだ後に専門開業する流れが一般的です。
当院の見解:第三者の外部評価を定期的に受け続けることが、医療の質を保つ鍵だと考えています。
※本記事の要点は2025年2月27日改定の規則を反映しています。制度は改定される可能性があるため、最新の学会情報をご確認ください。
📝 参考|日本矯正歯科学会「認定医制度」の要点(患者さん向け要約)
- 目的:矯正歯科の臨床技能・学問的知識の向上を促し、良質な医療を提供するための外部評価制度。
- 申請の主な条件(抜粋)
- 歯科医師免許を有し、学会の正会員として5年以上継続在籍。
- 学会の認定研修施設での基本研修を修了し、その期間を含め5年以上の矯正歯科臨床研修を修了(または同等の学識・技術・経験)。
- 学会が認める刊行物に臨床関連の筆頭論文を発表。
- 学会倫理規程・医療広告ガイドラインの遵守。
- 審査の方法:症例審査等による臨床技能・知識の評価。必要に応じて勤務先の実地調査が行われることがあります。
- 更新:5年ごとに更新。直近5年で(1)所定の専門領域研修の単位取得、(2)臨床に直接関係する報告が必要(※3回目以降の更新は(1)のみ)。
- 相互連動:日本歯科専門医機構の矯正歯科専門医等の取得・更新により、認定医の更新とみなされる場合があります。
- 改定情報:2025年2月27日改定。一部規定は2028年3月末まで経過措置あり。
当院では、上記のような定期的な外部評価を重視し、制度改定にも随時対応しています。
2.サポート体制・設備の違い
医療機器は非常に高額で、歯科の全分野を最新機器で網羅するのは現実的ではありません。専門クリニックは矯正に必要な機器へ集中的に投資します。
当院の例:
- 口腔内スキャナー(従来の歯型採りが苦手な方も負担軽減)
- 歯科用CT(CBCT)(必要時に骨・歯根の位置を3次元で評価)
- デジタル矯正のシュミレーションソフト/3Dプリンタ(歯の移動シミュレーションや装置作製の精度向上)
- 矯正専用器材
また、スタッフ教育も矯正に特化。装置の扱い方、トラブル時の対応、見た目の変化に関するご不安への説明など、矯正特有のニーズに即応できる体制を整えています。

3.治療内容とアップデート
治療方針は医院によって異なりますが、当院では院長・スタッフともに学会参加や院内勉強会を継続し、治療内容を常にアップデート。導入していない方法についてもメリット/デメリットを正確に説明します。複数の選択肢を検討し、患者さんの利益が最大化されると判断した技術は、適切な準備のもと迅速に導入します。
4.当院の診断フロー(はじめての方へ)
① カウンセリング:お悩み・ご希望の共有(ほうれい線/人中/横顔の印象なども遠慮なくご相談ください)
② 資料採得:写真、口腔内スキャン、必要に応じて歯科用3Dレントゲン(CBCT)
③ 分析・シミュレーション:噛み合わせ・骨格・顔貌を総合評価
④ 治療計画のご提案:複数プランを検討比較した上で最善の方法を提案します。見た目の変化の可能性やリスク・費用・期間を透明化
⑤ ご納得いただいてから開始
5.専門クリニックを選ぶメリット(チェックリスト)
□ 矯正に特化した診断・設備・スタッフがそろっている
□ 外部評価や症例提示など、品質管理の仕組みがある
□ 顔貌の変化について事前に説明・共有してくれる
□ 自院で対応しない治療にもメリット/デメリットを明確に説明
